トランシェ
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【調理用語 フランス料理】「トランシェ」— ローストやフィレを美しく切り分ける、仕上げの切り身作業

#世界の厨房辞典

定義

トランシェ(Trancher):塊の肉・魚を、一定の厚さに、一定の方向で切り分ける動作。日本語では「切り分ける・スライスする」に相当し、単に切る(クーペ/Couper)よりも「完成した料理を供するために切り出す」という仕上げ作業のニュアンスが強い用語です。

フランス語の正式スペルと発音

Trancher [トランシェ] – 動詞。「薄切りにする・切り分ける」。名詞形 tranche(切り身)、切り分け道具は「tranchoir(トランショワール=切り出しナイフ)」、機械なら「trancheuse(トランシューズ=スライサー)」。日常フランス語では「trancher une question(議論に決着をつける)」のように「決断する」という意味でも使われます。

語源 / 歴史

トランシェ:古フランス語「tranchier」に由来し、さらに遡るとラテン語「truncare(切り落とす・断ち切る)」にたどり着きます。もとは「断ち切る」という強い切断のイメージで、大塊の肉を切り分ける動作に使われていました。フランス料理ではローストの切り分け(tranchage)はドレッセ(盛り付け)と並ぶ見せ場の技術で、切り出し口の美しさが料理の完成度を左右するため、切り分け専用のナイフと作法も発達しました。

実際の厨房での使い方

例文 「ルポゼが済んだらトランシェして」→ ローストビーフは加熱後しっかり休ませてから切り分けます。熱いうちにトランシェすると肉汁が切り口から流れ出てしまうため、ルポゼ→トランシェの順序です。

用語対象厚さの目安タイミングポイント
トランシェ(Trancher)ロースト・フィレ・テリーヌ等の塊1.5〜2cm程度(料理による)供する直前、ルポゼの後刃を砥いで水気を拭く。一動作で引き切る
山中 幸夫
監修 山中 幸夫

フレンチシェフ。ラマンディエドムージャン、グレイ ダルビオン、ラタントクレールといったフランスやスイス、ロンドンの複数の星付き店で5年半の海外修行。帰国後は有名フランス料理店のシェフを歴任し、渋谷松濤にて幻の尾崎牛を扱うBistro eightのシェフとして活躍した後、フリーランスとして独立。シェフリンクではスポットワークを中心に都内の店舗や沖縄から北海道まで全国で活躍

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