「ムイエ」— 料理に水分を加えるフレンチの基本
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【調理用語 フランス料理】「ムイエ」— 料理に水分を加えるフレンチの基本

#世界の厨房辞典

定義

ムイエ(Mouiller):料理に水・ワイン・ブイヨン・フォンなどの液体を加える技法。煮込みやソース作りの過程で、食材が液体に浸る、あるいは液体を含んだ状態にする作業全般を指す。加える液体の量・種類・タイミングによって、料理の仕上がりが決定的に変わるフランス料理の根幹をなします。

フランス語の正式スペルと発音

Mouiller [ムイエ] – 動詞。「濡らす・湿らせる」が原義。名詞形は 「mouillement」(ムイユマン)で、「加える液体」そのものを指す専門用語。日常フランス語では「(雨で)濡れる」の意味でも使われるが、料理界では「液体を加える調理動作」として明確に定義されている。

語源 / 歴史

ムイエ:古フランス語「moillier」(濡らす)に由来し、さらにラテン語「molliare」(柔らかくする)に遡る。中世フランス料理では「食材を液体で覆う」基本動作として既に確立されており、17世紀の宮廷料理書にも登場。

実際の厨房での使い方

例文① 「牛頬肉を焼いたら、赤ワインでムイエして煮込む」→ リソレ(焼き固め)した牛頬肉に赤ワイン500mlを注ぎ、肉の8割が浸る程度まで浸す。

例文② 「ジュ・ド・ヴォライユを作るために、鶏ガラを水でムイエする」→ 香ばしく焼いた鶏ガラに冷水を注ぎ、静かに火にかけてアクを引きながら3時間。ムイエは「熱湯ではなく冷水から」が旨味抽出のセオリー。

用語加える液体量の目安主な用途ポイント
ムイエ(Mouiller)水/ワイン/ブイヨン/フォン食材の8割〜完全に浸す量煮込み、フォン、ソースのベース液体の選択で料理の性格が決まる
山中 幸夫
執筆 山中 幸夫

フレンチシェフ。ラマンディエドムージャン、グレイ ダルビオン、ラタントクレールといったフランスやスイス、ロンドンの複数の星付き店で5年半の海外修行。帰国後は有名フランス料理店のシェフを歴任し、渋谷松濤にて幻の尾崎牛を扱うBistro eightのシェフとして活躍した後、フリーランスとして独立。シェフリンクではスポットワークを中心に都内の店舗や沖縄から北海道まで全国で活躍

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