【調理用語 フランス料理】「デグレッセ」— 余分な脂を捨てて、旨味だけを残す下処理技法
定義
デグレッセ(Dégraisser):フランス語で「脂を取り除く」。肉や魚を焼いた後にフライパンや鍋に残った余分な脂を捨てる下処理技法。また、ブイヨンやフォンの表面に浮いた脂を取り除く作業も指す。サイズや温度の指定はなく、「捨てる脂」と「残す旨味(シュック)」を見極める判断力が問われる工程。
フランス語の正式スペルと発音
Dégraisser [デグレッセ] – 動詞。「脂肪(graisse)」に否定接頭辞 “dé-” が付いた形で、「脂を取り除く」の意。名詞形は “dégraissage”(デグレサージュ)。過去分詞 “dégraissé” はソース名としても使われる。英語の “degrease” と同語源。
語源 / 歴史
デグレッセ:中世フランス語 “graisse”(脂肪)に由来。もともとは煮込み料理やブイヨンの表面に浮いた脂を柄杓ですくい取る作業を指していた。19世紀の古典料理書『ル・ギード・キュリネール』(オーギュスト・エスコフィエ, 1903年)では、フォンやコンソメの澄み度を左右する重要工程として詳細に記述されている。エスコフィエは「デグレッセを怠ったソースは、シェフの怠慢の証」とまで言い切ったと伝わる。現代では、フライパン調理においてもソース作り前の必須ステップとして定着している。
実際の厨房での使い方
例文① 「肉を焼き終えたら、まずデグレッセして余分な脂を捨てる」→ ローストが済んだ肉をフライパンから取り出した後、フライパンを傾けて脂だけを流し捨てる。鍋底にこびりついた茶褐色のシュックは絶対に残すのがポイント。
例文② 「ブイヨンをデグレッセしながら4時間煮込む」→ 長時間の煮込みでは、表面に脂が繰り返し浮いてくる。その都度お玉やペーパーで丁寧に取り除くことで、澄んだ味わいのフォンに仕上がる。(強火は禁物。脂を巻き込んで乳化してしまう。豚骨スープのようになる。中火以下の火加減を厳守。)
| 用語 | 形状 | タイミング | 主な用途 | ポイント |
| デグレッセ(Dégraisser) | 液体状の脂を分離・除去 | 焼き上げ直後/煮込み中 | ソース作り、 フォン、コンソメ | シュックは残す。ペーパーで拭きすぎない |