アビエ
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【調理用語 フランス料理】「アビエ」— 魚や鶏を調理可能な姿に整える、下処理の総称

#世界の厨房辞典

アビエ(Habiller):フランス語で「服を着せる」を意味する動詞が、料理では逆に「食材を調理できる状態に整える=身なりを整える」という意味で使われる下処理の総称です。魚ならウロコを引き、ヒレを切り、内臓やエラを取り除き、血合いを処理して水洗いし、最後に水気を拭き取るまでの一連の工程を指します。

フランス語の正式スペルと発音

Habiller [アビエ] – 動詞。語頭の h は発音しないため読みは「アビエ」です。「服を着せる、装う」を意味する日常動詞。

語源 / 歴史

アビエ:「habillement(アビイユモン=服装)」と同じ語源で、中世フランス語の「hapter/habiter(身につける)」系の語に由来します。厨房用語として定着した理由は、魚や鳥が「届いたときの姿」から「料理される姿」へ、着替えるようにするという例えから。フランスの魚料理の工程では、①アビエ(下処理)→②ルヴェ・レ・フィレ(おろす)→③デザレテ(骨抜き)→④パレ(形を整える)→⑤ポショネ(切り分け)という流れで、アビエはその最初の工程です。

実際の厨房での使い方

例文① 「真鯛が届いたら、アビエして」→ ウロコ引きで鱗を落とし、背ビレ・腹ビレをハサミで切り、エラと内臓を除去。血合いを流水で洗い流し、最後にペーパータオルで水気をしっかり拭きます。ここで拭き損ねると、魚の鮮度が落ちてしまいます。

例文② 「鶏はアビエが終わったらフィスレまで進めて」→ 鶏では羽の残りをバーナーで焼いて(フランベ)取り、余分な脂と皮を整えてから、紐で形を整える(フィスレ)工程へ。下処理の質がそのまま火入れの均一性に効くため、アビエは「地味だが最重要」と現場で言われる工程です。

用語対象作業内容主な道具ポイント
アビエ(Habiller)魚・鶏鱗引き、ヒレ切り、内臓除去、洗浄、水気を拭くウロコ引き、ハサミ、ペーパータオル正確で丁寧な下処理
山中 幸夫
監修 山中 幸夫

フレンチシェフ。ラマンディエドムージャン、グレイ ダルビオン、ラタントクレールといったフランスやスイス、ロンドンの複数の星付き店で5年半の海外修行。帰国後は有名フランス料理店のシェフを歴任し、渋谷松濤にて幻の尾崎牛を扱うBistro eightのシェフとして活躍した後、フリーランスとして独立。シェフリンクではスポットワークを中心に都内の店舗や沖縄から北海道まで全国で活躍

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