【食材のトリセツ】フランスと日本のパン事情 — なぜ日本のパンはふわふわで、フランスのパンはパリパリなのか?
答え:材料と焼き方が違う。砂糖・乳・卵 vs 水・小麦粉・塩・酵母
日本の食パンはふわふわしっとり、フランスのバゲットはパリパリ中もちもち。同じ「パン」でもこれほど違うのは、材料と焼成方法が根本的に異なるからです。どちらが「本物」というわけではなく、それぞれの食文化が生んだ最適解です。
POINT
- ポイント①:フランスパン(バゲット)—シンプルな材料と高温蒸気焼成:法律(デクレ・パン)で材料は小麦粉・水・塩・酵母のみと規定。加水率70〜75%と高く、生地が水分を多く含むため、高温(230〜250℃)で焼くと内部の水が一気に蒸発し、多孔質な内相(クラム)と厚いパリパリの外皮(クルート)ができます。焼成中にスチームを当てることで外皮の形成を制御します。
- ポイント②:日本の食パン—砂糖・乳・卵の「リッチ生地」:日本の食パンは砂糖・バター・牛乳・卵を多量に含む「リッチ生地」。砂糖は保水性を高め(吸湿性)、しっとり感を長時間維持します。また低温(190〜200℃)でゆっくり焼くため、外皮が薄くふわふわになります。
- ポイント③:日本のパン文化—明治以降の「洋食化」:日本にパンが伝来したのはポルトガル人による16世紀。しかし本格的に広まったのは明治時代の軍用食・洋食文化の影響。コッペパン・あんパン・カレーパンなど、日本独自のパン文化は明治〜昭和に確立しました。
プロの技:バゲットの「クラム」を再現する
- 家庭での高加水パン:加水率70%以上、オーブン内に熱湯を入れてスチーム生成
- 焼く前に霧吹きで表面を濡らすと外皮がパリパリに
- 石板(ベーキングストーン)を使うと下からの熱が均一に
料理トリビア
2022年、フランスのバゲット作りの技術がユネスコの「無形文化遺産」に登録されました。フランスには約33,000軒のパン屋(ブーランジェリー)があり、1日に600万本のバゲットが売れると言われています。
RELATED ARTICLES
関連記事