蒸し煮と煮込みの違い
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【調理用語 フランス料理】「エチュベ」と「ブレゼ」— 蒸し煮と煮込みの違い

定義

  • エチュベ(Étuver): 食材自身の水分と少量の水・バターで蓋をして蒸し煮にする。短時間・素材の風味を活かす。
  • ブレゼ(Braiser): 少量の液体(スープ・ワインなど)で蓋をして長時間煮込む。固い食材をじっくり軟化させる。

「蒸し煮」と「煮込み」は似て非なるもの。エチュベは食材の旨味を閉じ込めた「デリケートな調理法」、ブレゼは液体の旨味も加えた「力強い調理法」といえます。使う食材と仕上がりのイメージで選び分けます。

フランス語の正式スペルと発音

  • Étuver [エチュベ] – 動詞。「蒸す・蒸し煮にする」の意味。
  • Braiser [ブレゼ] – 動詞。「ブレゼ鍋で煮る」の意味。燠火(おきび)を意味する語源もある。

語源/歴史

  • Étuver: ラテン語”extufare”(蒸す)が語源。古くから野菜の調理法として確立。食材の自然な水分を利用するため、最小限の液体で調理します。
  • Braiser: 古フランス語”braise”(燠火・炭火)が語源。もともとは蓋付きの鍋(ブレジエール)を炭火に乗せ、上にも炭を乗せて四方から加熱する技法。ポトフやブレゼ・ド・ブッフ(牛肉の煮込み)が代表例。

実際の厨房での使い方

例文①(エチュベ)
「ほうれん草をエチュベして」→ バターと塩少量で蓋をし、2〜3分蒸し煮。鮮やかな緑を保ちながら軟化させる。

例文②(ブレゼ)
「牛バラをブレゼして」→ 焼き色をつけた牛バラをフォン・ド・ヴォー(子牛の出汁)とワインで蓋をして2〜3時間煮込む。

混同しやすい用語との比較

用語液体量時間目的主な食材
エチュベ(Étuver)極少量(食材の水分のみ)短(5〜15分)素材の風味保持葉野菜・きのこ・魚
ブレゼ(Braiser)少量(食材の1/3〜1/2浸かる程度)長(1〜数時間)コラーゲン分解・旨味融合牛すね・豚バラ・キャベツ
山中 幸夫
監修 山中 幸夫

フレンチシェフ。ラマンディエドムージャン、グレイ ダルビオン、ラタントクレールといったフランスやスイス、ロンドンの複数の星付き店で5年半の海外修行。帰国後は有名フランス料理店のシェフを歴任し、渋谷松濤にて幻の尾崎牛を扱うBistro eightのシェフとして活躍した後、フリーランスとして独立。シェフリンクではスポットワークを中心に都内の店舗や沖縄から北海道まで全国で活躍

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