ナスの構造を知れば調理のミスが減る
スキルを伸ばす

 【食材のトリセツ】ナスの「すごい構造」

答え:ナスはスポンジ構造で油を吸い、酸で色が変わり、アクはポリフェノール。知れば使いこなせる

ナスは面白い野菜です。90%以上が水分にもかかわらず、油をぐんぐん吸うことができます。

紫の色素は酢に漬けると鮮やかに変化します。漬物のアクは、実は抗酸化物質。この「なぜ」を知ると、ナス料理の腕が上がります。

POINT

  • ポイント①:ナスがよく油を吸う理由—スポンジ構造:ナスの細胞間に大量の気泡があり、スポンジのように油を吸い込みます。油を吸わせたくないときは塩で脱水後に電子レンジで加熱してから揚げる、または高温の油に一気に入れる(表面を瞬時に固める)方法が有効。
  • ポイント②:紫の色素「ナスニン」は変色する:ナスの皮の紫色はアントシアニン系色素「ナスニン」。アルカリ性(重曹など)で青紫〜緑に、酸性(酢)で赤紫に変色します。焼きナスが灰色になるのは、加熱とアルカリ化による変色。「ナスの糠漬けに鉄を入れると色が鮮やか」になるのはナスニンが鉄と錯体を形成するから。
  • ポイント③:アクの正体はクロロゲン酸:切ったナスが茶色くなる(酸化)のは、ポリフェノールの一種「クロロゲン酸」が空気酸化するため。水にさらすとアク抜きになりますが、このクロロゲン酸は実は強力な抗酸化物質。健康面では残しておいても悪くありません。

プロの技:ナスを美味しく調理する3ポイント

  • 揚げナス:高温の油(180℃)に素早く入れて表面を固める → 油の吸収を最小化
  • 焼きナス:直火でしっかり炭化させると、燻製に近い香りが出る
  • 浅漬け:塩もみで細胞を壊し、うま味を引き出してから漬ける

料理トリビア

ナスの英語名「eggplant(エッグプラント)」は白い品種が卵に似ていたことから。日本では奈良時代に伝来し、「なす」の語源は「夏実(なつみ)」という説があります。

山中 幸夫
監修 山中 幸夫

フレンチシェフ。ラマンディエドムージャン、グレイ ダルビオン、ラタントクレールといったフランスやスイス、ロンドンの複数の星付き店で5年半の海外修行。帰国後は有名フランス料理店のシェフを歴任し、渋谷松濤にて幻の尾崎牛を扱うBistro eightのシェフとして活躍した後、フリーランスとして独立。シェフリンクではスポットワークを中心に都内の店舗や沖縄から北海道まで全国で活躍

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