タイエとエマンセ
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【調理用語 フランス料理】「タイエ」と「エマンセ」— 「切る」基本動詞と、薄切り技法の関係

#世界の厨房辞典

定義

  • タイエ(Tailler):フランス語で「切る・整形する」を表す基本動詞。食材を特定の形に切り整える動作全般を指す総称的な言葉。単独では使わず「タイエ・アン・〇〇(〇〇の形に切る)」のように切り方名と組み合わせる。
  • エマンセ(Émincer):フランス語で「薄く切る」。肉・野菜を厚さ2〜3mmにスライスする具体的な技法。繊維の向きを意識することで食感が大きく変わる。

タイエとエマンセは、ともに「切る」を意味するフランス語ですが、役割が階層的に異なります。タイエは「切るという動作の総称」であり、Cシリーズで扱うすべての切り方の動詞的な親。一方エマンセは「薄切り」という独立した技法名です。だから「タイエ・アン・エマンセ(薄切りに切る)」という表現が成立します——エマンセはタイエの一形態という関係です。

フランス語の正式スペルと発音

  • Tailler [タイエ] – 動詞。「切る・刈る・整形する」の意味。ラテン語 “taliare”(切る)が語源。英語の “tailor”(仕立て屋)と同語源。命令形は “Taillez”(タイエ)。「精密に切り整える」というニュアンスを持つ。料理用語としては18世紀に確立。
  • Émincer [エマンセ] – 動詞。「薄く切る」の意味。フランス語 “mince”(薄い)から派生した動詞形。アクセントは最終音節「セ」。古典料理「エマンセ・ド・ヴォー(Émincé de Veau/仔牛の薄切りソテー)」が代表例。19世紀のフランス料理書に登場する定番メニュー。

実際の厨房での使い方

例文①(タイエ)
「にんじんをタイエ・アン・ジュリエンヌにして」→「千切りに切る」の意味。タイエ単独では使わず、必ず切り方名を後続させる。

例文②(エマンセ)
「牛肉をエマンセにして炒める」→ 繊維に沿って2〜3mmの薄切り。火の通りが均一で、短時間のソテーや炒め物に最適。

用語品詞形状・厚さ使い方
タイエ(Tailler)動詞(総称)—(切り方による)他の切り方名と組み合わせる「タイエ エギャール (同じ大きさに切り揃える)」
エマンセ(Émincer)動詞(具体技法)厚さ2〜3mm肉・野菜を薄切りに「牛肉をエマンセに→ソテー」
山中 幸夫
監修 山中 幸夫

フレンチシェフ。ラマンディエドムージャン、グレイ ダルビオン、ラタントクレールといったフランスやスイス、ロンドンの複数の星付き店で5年半の海外修行。帰国後は有名フランス料理店のシェフを歴任し、渋谷松濤にて幻の尾崎牛を扱うBistro eightのシェフとして活躍した後、フリーランスとして独立。シェフリンクではスポットワークを中心に都内の店舗や沖縄から北海道まで全国で活躍

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