バターを焦がさないコツ
スキルを伸ばす

バターを焦がさないコツ — バターの「弱点」を知る

答え:バターの乳固形分が120℃で焦げる。「クラリファイド」か「弱火」で解決

「バターは焦げやすい」——これはバターに含まれる乳固形分(タンパク質・乳糖)が原因です。バターは120〜130℃でもう焦げ始めます。知れば対策できる、バターの「弱点」を解説します。

POINT

  • ポイント①:バターの成分—脂肪だけじゃない:バターの成分は脂肪約80%、水分約16%、乳固形分(タンパク質・乳糖)約3〜4%。この乳固形分が高温で焦げてメイラード反応を起こし、独特の香ばしさ(ノワゼット=ヘーゼルナッツのような香り)と茶色になります。これが「ブール・ノワゼット(焦がしバター)」で、意図的に使う調理技法です。
  • ポイント②:焦がしたくなければ「クラリファイドバター」:乳固形分と水分を取り除いた純粋な脂肪分だけにしたものが「クラリファイドバター(澄ましバター)」。発煙点が200℃以上に上がり、高温調理が可能に。インドの「ギー」も同類。バターの風味を保ちつつ、焦げない高温調理ができます。
  • ポイント③:バターと油を合わせる技法:バターにオリーブオイルや太白ごま油を混ぜると、油の発煙点が上がり焦げにくくなります(正確には乳固形分の保護ではないが、実用上有効)。フランス料理でソテーにバター+オイルを使うのは風味と耐熱性の両立のため。

プロの技:バターを使う際の鉄則

  • 中火で溶かし始め、泡が出たら食材を投入 → 焦げの前の合図
  • 食材を加えると温度が下がり、焦げが止まる
  • 仕上げにバターを加える「モンテ」は余熱で溶かす(加熱なし)
  • ブール・ノワゼット(焦がしバター)は意図的なら絶品。茶色〜黒の手前で止める

料理トリビア

「ブール・ノワゼット(beurre noisette)」は「ヘーゼルナッツバター」の意。焦がしバターを使った「ムニエル(白身魚の小麦粉ソテー)」はフランス料理の定番。ノワゼット色になった瞬間が最も香りが高く、ここで素早く食材に掛けます。

山中 幸夫
監修 山中 幸夫

フレンチシェフ。ラマンディエドムージャン、グレイ ダルビオン、ラタントクレールといったフランスやスイス、ロンドンの複数の星付き店で5年半の海外修行。帰国後は有名フランス料理店のシェフを歴任し、渋谷松濤にて幻の尾崎牛を扱うBistro eightのシェフとして活躍した後、フリーランスとして独立。シェフリンクではスポットワークを中心に都内の店舗や沖縄から北海道まで全国で活躍

記事一覧を見る
RELATED ARTICLES 関連記事

CHEFLINKならSNS機能で
全国の料理人とつながれます。