【食材のトリセツ】ジャガイモのルーツ — 南米からヨーロッパ、そして世界へ
答え:約7,000年前、南米アンデスが原産
ジャガイモのルーツはペルー・ボリビア国境のチチカカ湖周辺アンデス山脈。約7,000年前からインカ帝国の人々が栽培していた作物です。
16世紀にスペイン人が持ち帰るまで、ヨーロッパには存在しなかった。今や世界第4位の主食作物となったジャガイモの旅をたどります。
POINT
- ポイント①:スペインがヨーロッパに持ち込んだ(1570年代):コンキスタドール(スペイン征服者)がインカ帝国征服時に発見し、スペインへ持ち帰りました。当初は観賞植物として扱われ、食用には使われませんでした。種子ではなく「芋(茎)」で増える奇妙な生態がもとで「悪魔の植物」として嫌われた時期もあります。
- ポイント②:フランスでの普及にはパルマンティエが貢献:18世紀フランスの薬剤師アントワーヌ・パルマンティエは「ジャガイモは人間が食べられる」と主張し、普及に尽力。ルイ16世の晩餐にジャガイモ料理を出し、普及を広めた人物として有名です。フランス語で「パルマンティエ」とは「ジャガイモを使った料理」の意味にもなっています。
- ポイント③:日本には「馬鈴薯」として江戸時代後期に伝来:日本にはオランダ(ジャカルタ=ジャガタラ:現在はインドネシア)経由で伝来。「ジャガタライモ」→「ジャガイモ」の語源はここにあります。本格的な普及は明治以降、北海道開拓期です。
プロの技:ジャガイモの調理で押さえるべき鉄則
- 水から茹でる(→ 中まで均一に火が通る)
- 皮ごと茹でると旨味と栄養素が逃げにくい
- 冷凍は水分が多く食感が悪化 → 加工前(マッシュ状)なら冷凍可
- 緑色になったジャガイモはソラニン(毒素)増加 → 食べない、または完全に除去
料理トリビア
ジャガイモ飢饉(1845〜1852年)はアイルランドで約100万人が餓死した歴史的大飢饉。病気(疫病菌)がジャガイモを全滅させ、人口の4分の1が失われました。単一作物への依存リスクを歴史が証明した事件です。