キノコを洗ってはいけない理由
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【食材のトリセツ】キノコを洗ってはいけない理由 — 水が旨味を流し、食感を壊す

答え:キノコはスポンジ状で水を瞬時に吸収する。洗うと旨味が流出し、炒めるとべちゃべちゃに。汚れは布巾でふき取るのが正解

「野菜は洗う」が料理の基本ですが、キノコは例外。キノコは多孔質(スポンジ状)構造を持ち、水に触れると急速に吸水します。水洗いすると①旨味成分(グアニル酸、グルタミン酸)が水と一緒に流出、②水っぽくなって炒めたときに蒸れてしまう、③表面の旨味が失われる、という三重のデメリットが生じます。

POINT

  • ポイント①:キノコは多孔質で水を瞬時に吸収する:キノコの内部構造は無数の小さな穴(気孔)で満たされており、表面積が非常に大きい。水に触れると毛細管現象で急速に吸水します。椎茸を水洗いすると30秒で重量が約3〜5%増加するという実験データもあります。この吸収した水が旨味成分を一緒に溶かし出してしまいます。
  • ポイント②:水っぽくなると炒め物がべちゃべちゃになる:水を吸ったキノコをフライパンで炒めると、加熱時に大量の蒸気が発生。フライパンの温度が急激に下がり、「炒める」ではなく「蒸す」状態になります。結果、べちゃっとした食感に。キノコの香ばしさとシャキッとした食感を出すには、洗わないことが前提です。
  • ポイント③:汚れの正しい取り方:キノコの汚れ(土・培地の残り・ほこり)は、乾いた、または軽く湿らせたキッチンペーパーや布巾でふき取るのが正解。軸の先端(石づき)は切り落とします。シメジなど株状のキノコは分けてからふき取る。どうしても洗う場合は、流水でサッと流して即座に拭き取ること。

プロの技:キノコを美味しく扱う4か条

  • 洗わない → 乾いた布巾でふき取る
  • 強火で一気に炒める → 水分を素早く蒸発させ、香ばしく
  • フライパンに広げる → 重ねると蒸れてべちゃつく
  • 塩は最後に → 早く加えると浸透圧で水分が出てしまう

料理トリビア

乾燥椎茸は旨味の宝庫。生椎茸に比べてグアニル酸の含有量が数十倍になります。これは乾燥・戻しのプロセスで酵素反応が促進されるため。戻し汁は捨てずに出汁として活用するのがプロの常識。冷水で一晩ゆっくり戻すと旨味が最大限に引き出されます。

北田清
監修 北田清

辻調グループ校フレンチイタリアン専攻の学部を主席で卒業。その後、同校のインストラクターとして勤務。新人フランス料理人コンクールのデセール部門で優勝。イタリアン業態の立ち上げやエリアマネージャーとしての居酒屋業態の直営5店舗と暖簾分け店舗の統括。10年間パスタ専門店のオーナーシェフとしても活躍。

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