ワーケーションとは
CHEFLINKを活用する

リゾートバイトとは?シェフの新しい働き方|全国の名門リゾートで「働きながら暮らす」選択肢

#ベテランシェフ #中堅シェフ

この記事では、全国の名門リゾートや旅館の厨房を期間限定で渡り歩く、シェフ特有のリゾートバイトという働き方を解説します。一般的な定義との違い、メリットとデメリット、代表的な期間パターン、向き不向きまでを、現役パティシエの実体験を交えて整理します。

「リゾートバイト」という言葉は知っていても、料理人にとって何を意味するのかはあまり語られてきませんでした。

この記事では、全国の名門リゾートや旅館の厨房を期間限定で渡り歩く、シェフ特有のリゾートバイトという働き方を解説します。一般的な定義との違い、メリットとデメリット、代表的な期間パターン、向き不向きまでを、現役パティシエの実体験を交えて整理します。

結論:シェフのリゾートバイトは「観光地で働く出張」ではなく「キャリア戦略」

料理人にとってのリゾートバイトは、全国の名門リゾート・旅館・ホテルの厨房を一定期間渡り歩き、現場で稼ぎながら、その土地で暮らす働き方のことを指します。

たとえば、数ヶ月単位で北海道のスノーリゾートに入り、シーズンが終われば沖縄のホテルへ。あるいは、本業を続けたまま、年に一度だけ軽井沢の中華レストランで3週間だけ働く。このように、厨房と暮らしの場所を意図的に動かしていくキャリア設計が、いま多くのシェフに選ばれ始めています。

リゾートバイトは、「観光ついでの短期バイト」ではありません。スキルの掛け算、ブランド経験の獲得、生活コストの最適化、そして自分自身のライフスタイルの実験。この4つを同時に進められる、極めて合理的なキャリア戦略です。

そもそもリゾートバイトとは?一般的な定義をおさらい

リゾートバイトは、英語の「Resort(仕事)」と「アルバイト」を組み合わせた造語です。一般的には、リモートワーク可能なオフィスワーカーが、休暇先で仕事をする働き方を指してきました。

ただし、これはあくまで「PC一台で完結する職種」を前提にした定義です。厨房という物理的な現場が不可欠な料理人にとって、同じ言葉が指す中身はまったく違います。

ビジネス職と料理人では意味が違う

オフィスワーカーのリゾートバイトが「場所を変えても同じ会社の仕事をする」のに対し、シェフのリゾートバイトは「期間限定で別の厨房に入り、そのリゾート・施設の戦力として働く」スタイルです。

本業の延長で出張するのではなく、その施設と短期で雇用契約またはスポット契約を結び、現地の制服を着て、現地のチームの一員として動きます。

つまり、シェフのリゾートバイトは「働き方」というよりも「就業形態そのものの選択」に近いものです。フリーランス、副業、転職、それらの隣に並ぶ新しい選択肢として捉えると、輪郭がはっきりします。

「リゾートバイト」「住み込み」との違い

リゾートバイトは、いわゆるリゾートバイトとも、地方の住み込み調理職とも一線を画します。整理すると次のとおりです。

項目リゾートバイト住み込み調理職シェフのリゾートバイト
主な対象学生・若年層中堅以上の調理師経験を積んだプロのシェフ
業務調理補助・洗い場・接客が中心厨房業務全般プロ職人としての戦力業務
時給目安1,200〜1,500円月給制(手取り20万前後)1,815〜2,000円が中心
期間数週間〜数ヶ月1年以上の継続が前提3日〜半年と柔軟
主目的短期収入+遊び安定就労+住居確保キャリア戦略+暮らしの実験

リゾートバイトが「若いうちに稼いで遊ぶ」、住み込みが「腰を据えて働く」とすれば、シェフのリゾートバイトは「プロとしてのキャリアに、地方と短期と複数厨房を組み込む」働き方です。経験者前提だからこそ、時給単価も生活待遇も高水準で設計されています。

なぜ今、シェフのリゾートバイトが広がっているのか

この働き方は、ここ数年で急速に存在感を増しています。背景には、業界構造の変化と、シェフ自身の意識の変化が同時に進んでいるという事情があります。

リゾート・旅館業界の慢性的な人手不足

インバウンド回復と国内旅行需要の高まりにより、地方のラグジュアリーホテル・旅館・スキーリゾートは、ハイシーズンの調理人材が圧倒的に足りていません。

とくに鉄板焼・和食・パティスリーといった専門職は、現地で常時雇用するにはコストが見合わず、かといってシーズン中に不在というわけにもいかない。

この「常時雇用は重いが、欠かせない」というジレンマが、期間限定で即戦力プロを迎え入れるリゾートバイト求人を増やしました。

シェフ側の「同じ厨房に留まらない」キャリア志向

同時に、シェフ側でも考え方が変わりつつあります。一つの店で何年も腕を磨き上げる王道のキャリアに加えて、短期間で複数のジャンル・ブランドを経験して引き出しを増やすルートを選ぶ人が、特に30代を中心に増えています。

ホテル系のオペレーション、地方旅館の懐石、リゾートの鉄板焼、海外比率の高いインバウンド対応の現場。これらを意図的に渡り歩くことで、独立や転職の前段としての「経験のポートフォリオ」が作れる。SNSや料理人コミュニティの普及で、こうしたキャリアモデルが可視化されたことも追い風になっています。

マッチングサービスが間に立つことで生まれた構造変化

そして決定的なのが、CHEFLINKのようなマッチングサービスの存在です。施設側は短期で即戦力のプロを募集でき、シェフ側は自分のスキル・期間・希望地域から求人を選べる。

間に専門サービスが入ることで、これまで個人のコネクションがなければ実現しなかった「東京のシェフが、ニセコや沖縄で数ヶ月だけ働く」という選択肢が、誰にでも開かれた選択肢になりました。

シェフのリゾートバイトのメリット

実際に踏み出すかどうかは、メリットとデメリットを冷静に並べてから判断するのが順当です。まずは得られるものから整理します。

スキルの多様化

和食一筋だったシェフが冬の3ヶ月だけ鉄板焼の現場に入る、パティシエが地方旅館の朝食ブッフェを経験する、といったジャンルをまたぐ経験を短期間で積めます。一つの厨房に長く留まっていたら一生触れなかったかもしれない技術や食材に、計画的に出会える設計です。

寮費・食費が抑えられ、手取りが残りやすい

リゾートバイト求人の多くは寮費が無料または月2万円程度、まかないや従業員食堂が朝200円・昼夕400円といった水準で利用できます。

都市部で家賃と食費に消える分が丸ごと残るため、同じ月収でも手元に残る金額が大きく変わります。具体的な数字は別記事「料理人のリゾートバイト、月収・滞在費・手取りはいくら?」で詳しく計算します。

一流ブランドの経験を履歴書に

ヒルトンニセコビレッジ、オークラアクトシティ浜松、グランドエクシブ軽井沢、ダブルツリーbyヒルトン那覇首里城といった、CHEFLINKを通じて募集されているリゾート・ホテルには、誰もが知る一流ブランドが含まれています。

短期間でも「ここで働いた」と書ける経歴は、その後のキャリアで強い武器になります。

全国のシェフとの人脈形成

リゾートバイトの厨房は、その期間限定で集まったプロの集合体です。出身も得意ジャンルもバラバラなシェフが同じ厨房に立つことで、通常では出会えない人脈が自然に生まれます。後に独立した際の食材ルートや、別現場の紹介につながるケースも珍しくありません。

ライフスタイルとしての「暮らしの実験」

スキーリゾートで雪の中の生活を試す、沖縄で温暖な気候の中で働く、軽井沢で自然の中の朝を迎える。

いずれも、本格的に移住する前の「お試し暮らし」として機能します。自分にとって心地よい環境がどこかを、人生のうちで複数試せるというのは、それ自体が大きな価値です。

デメリットと向き不向き:踏み出す前に知っておくべきこと

拘束時間と生活リズム

現場によっては早朝の仕込みから夜のディナーまで拘束時間が長いシフトもあります。「リゾート=のんびり」というイメージで応募すると、ギャップに苦しむ可能性があります。ただ、ポジションによっては勤務時間が比較的安定する例もあります。

たとえば製菓部門は8:00〜17:00の固定運用がされている現場もあり、生活リズムを作りやすい働き方が可能です。応募前に勤務時間の運用実態を必ず確認することが鍵になります。

家族・パートナーとの距離

数週間〜数ヶ月、本拠地から離れることになるため、家族やパートナーとの物理的距離は避けられません。リモート会議や帰省のしやすさを含め、出発前に話し合っておく必要があります。家族同伴で参加可能な求人もありますが、まだ選択肢は限定的です。

こんなシェフには向いている/向いていない

向いているのは、新しい環境への適応力があり、複数ジャンルへの好奇心が強く、生活コストを意図的にコントロールしたいシェフです。

逆に、決まった自分の店をじっくり育てたい、家族の生活時間と完全に揃えたい、というシェフには、リゾートバイトよりも別のキャリア戦略が向いている場合もあります。

リゾートバイトの代表的パターン

短期型

グランドエクシブ軽井沢の和食求人は3日間から、オークラアクトシティ浜松の鉄板焼は最低5泊から参加できます。本業を続けたまま、有給や閑散期を使って「まずは試してみたい」という人に最適なレンジです。

中期型

あたら夜西伊豆の16日勤務、ダブルツリーbyヒルトン那覇首里城の22日勤務など、リゾートバイトの主力ゾーンです。一つの土地で「暮らしている」感覚を持てる長さで、現地スタッフとの関係も深まり、休日に少し遠出する余裕も生まれます。

シーズン型

ヒルトンニセコビレッジの冬季シーズン、ルスツリゾートの夏〜秋シーズン、鹿島槍スキー場など、リゾートのワンシーズンを丸ごと担うスタイルです。生活が完全にその土地で完結し、もはやリゾートバイトというより「一時的な移住」に近い体験になります。

まず最初にやるべきこと

求人を眺めるだけでOK

最初から応募する必要はありません。「どの地域に」「どんな施設が」「どの時給で」募集しているかを眺めるだけで、自分のキャリアの選択肢が一段広がる感覚を持てます。

月収・手取りシミュレーション

気になる求人を見つけたら、時給・寮費・食費・期間から月収と手取りを計算してみる。数字で見ると、リゾートバイトが急に現実味を帯びてきます。具体的なシミュレーションは、別記事「料理人のリゾートバイト、月収・滞在費・手取りはいくら?」で詳しく解説しています。

応募〜赴任の流れを把握する

数字に納得できたら、次は「自分が動くとしたら何から始めればいいか」を把握する段階。応募からアプリ登録、面接、契約、赴任までの全フローは、「シェフのリゾートバイト完全ガイド」で全工程を解説しています。

よくある質問(FAQ)

Q. 未経験でも応募できますか?

A. ジャンルや施設によります。鉄板焼経験者優遇、和食5年以上、中華5年以上といった具体的な条件が設定されている求人が多く、まったくの未経験者向けは限定的です。ただし、ジャンル違いの経験者を歓迎する施設はあるため、求人ごとの条件を確認するのが確実です。

Q. 家族同伴で行けますか?

A. 個室寮であっても、原則として就業者本人の入居が前提です。家族同伴可の求人は限定的なので、希望する場合は応募前のチャットで必ず確認してください。

Q. 本業と並行できますか?

A. 3日〜2週間の短期求人を選べば、本業の繁忙期を避けて参加することは十分可能です。フリーランスはもちろん、正社員でも有給や長期休暇を使って参加する事例があります。

Q. 短期から試せますか?

A. 最短3日から参加できる求人があります。「まずは雰囲気を掴みたい」という方は、軽井沢や浜松などの短期型から始めるのが現実的です。

▶ CHEFLINKアプリをダウンロードする(App Store)

辻眞樹
監修 辻眞樹

雑誌編集者から料理人に転向。和食店での板場やイタリアンで腕を磨き、2013年に株式会社SLDの統括料理長に就任。その後フィリピン・セブ島で洋食レストラン開業し、帰国後は出張シェフなどに従事。

記事一覧を見る
RELATED ARTICLES 関連記事
シェフのリゾートバイト完全ガイド|応募から現地入りまでの全フロー|面談・契約・荷造り・稼働開始まで
料理人のリゾートバイト、報酬・滞在費・手残りはいくら?|業務委託報酬1時間あたり1,815円~2,000円のリアル収支シミュレーション

CHEFLINKならSNS機能で
全国の料理人とつながれます。