フランスパンは道具だった

【食材のトリセツ】フランスパンは”道具”だった? — 料理を彩るパンの意外な役割

答え:フランスパンはただの主食ではなく、”皿を拭く・すくう・支える”料理道具として使われてきた。

パン屋に並ぶバゲット。日本では「料理と一緒に食べる主食」というイメージが強いですが、フランスでは食器の一部・料理を完成させる道具として扱われてきた歴史があります。

POINT

  • ポイント①:皿のソースを”拭く”ためのパン:フランスでは食後、残ったソースをバゲットで拭って食べるのがマナー。これを「ソシエ(saucer)」と呼び、”料理を完成させる”仕草とされます。
  • ポイント②:料理を”すくう”食器代わり:エスカルゴやスープ、リエット、パテなど、バゲットにのせて食べる料理は非常に多い。フォークやスプーンの延長として機能する、”食べる皿”です。
  • ポイント③:硬い外皮と気泡がすべての鍵:バゲットの外はパリッと硬く、中は不規則な大きな気泡。この構造だからこそソースを吸い、料理を支え、皿を拭くという機能を果たせます。ふわふわパンでは代わりにならない。

プロの技:フランスパンをもっと美味しく食べる

  • ソースをまとめたい皿には必ずバゲットを添える
  • 前菜のリエット・テリーヌには薄切りトーストで
  • 少し固くなったら霧吹きで湿らせオーブンで数分で復活
  • 余りは角切りにしてクルトンやパンサラダに再利用

料理トリビア

バゲットの名は「棒」を意味するフランス語。1920年、フランスの労働法でパン職人の深夜労働が禁止され、朝までに焼き上がるよう短時間で発酵・成形できるバゲットが普及したという説があります。歴史的にも”機能から生まれた形”なのです。

北田清
監修 北田清

辻調グループ校フレンチイタリアン専攻の学部を主席で卒業。その後、同校のインストラクターとして勤務。新人フランス料理人コンクールのデセール部門で優勝。イタリアン業態の立ち上げやエリアマネージャーとしての居酒屋業態の直営5店舗と暖簾分け店舗の統括。10年間パスタ専門店のオーナーシェフとしても活躍。

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