「突然、店の採用担当を任されたけれど、何から手をつければいいのか分からない…」。そんな不安を抱えていませんか?本記事では、初めて採用担当になった方に向けて、業務の全体像から法律の基礎知識、失敗しないためのポイントまでを分かりやすく解説します。
▼あわせて読みたい
飲食店における「人」の課題は、経営に直結する重要な要素です。美味しい料理や心地よいサービスを提供するのも、すべてはそこで働くスタッフ次第だからです。
しかし、飲食業界は慢性的な人手不足と言われており、採用活動の難易度は年々上がっています。だからこそ、新しく採用担当になったあなたにかかる期待は大きいものでしょう。
この記事では、右も左も分からない状態からでも、自信を持って採用業務を進められるよう、基礎から実践的なノウハウまでを網羅しました。ぜひ、手元のマニュアル代わりとして活用してください。
採用担当者の仕事は、単に「求人広告を出して面接をする」だけではありません。お店が目指す姿を実現するために、必要な人材を集め、定着させるという重要な役割を担っています。
採用活動は、大きく分けて以下の4つのフェーズで進行します。
これらすべてが一貫性を持って行われて初めて、良い採用活動と言えます。どれか一つでも欠けると、せっかく採用してもすぐに辞めてしまったり、そもそも応募が来なかったりという事態に陥ります。
特別な資格は必要ありませんが、以下のようなスキルが求められます。
採用担当者が一人で抱え込む必要はありません。むしろ、現場スタッフや店長との連携が不可欠です。「どんなスキルを持った人が欲しいか」は現場の料理長に、「人件費の予算はいくらか」は経理やオーナーに確認する必要があります。
いきなり求人広告を出す前に、まずは足場を固める準備作業を行いましょう。ここをおろそかにすると、ミスマッチの温床になります。
まずは、お店の現状を数字と事実で把握します。
特に離職理由の把握は重要です。「人間関係」や「労働条件」が原因であれば、採用する前に職場環境の改善が必要かもしれません。
「なんとなく元気な人」といった曖昧な基準ではなく、具体的な「ペルソナ(求める人物像)」を設定します。
新しい人が入ってきたとき、誰が教育を担当するのか決まっていますか?「忙しいから見て覚えろ」では、今の時代、すぐに辞めてしまいます。研修カリキュラムや、メンター(相談役)を決めておきましょう。
効率的に業務を進めるために、以下のツールやテンプレートを用意します。
準備が整ったら、実際の採用活動をスタートさせます。ここでは一般的なアルバイト採用を例に、流れを解説します。
応募者への対応スピードは、採用成功のカギを握ります。特に飲食業界は応募から面接までのスピード感が重要です。応募があったら、可能な限り24時間以内に返信しましょう。丁寧で迅速な対応は、それだけでお店への信頼感を高めます。
面接は、応募者を「選ぶ場」であると同時に、お店が応募者から「選ばれる場」でもあります。圧迫面接などは論外です。リラックスした雰囲気で会話を進めましょう。
面接でのチェックポイント
また、法律で禁止されている質問(本籍地、宗教、家族の職業、支持政党など)は絶対にしないよう注意してください。
「採用です、明日から来てください」と口頭で伝えるだけではトラブルの元です。必ず「労働条件通知書」や「雇用契約書」を用意し、時給、交通費、勤務時間、試用期間などの条件を書面(またはメール等のデータ)で提示し、合意を得ましょう。
採用担当として避けて通れないのが、労働に関する法律の知識です。「知らなかった」では済まされない重要なポイントを絞って解説します。
労働基準法は、働く人を守るための最低限のルールです。以下の数字は必ず覚えておきましょう。
労働条件の明示は法律上の義務です。以下の項目は必ず書面に記載しなければなりません(絶対的明示事項)。
多くの飲食店で「研修期間」や「試用期間」を設けていますが、この期間中でも最低賃金は守らなければなりません。また、試用期間だからといって、正当な理由なく簡単に解雇できるわけではありません。試用期間の長さや条件(時給が異なる場合など)は事前に明確に説明しましょう。
外国人スタッフを採用する場合は、「在留カード」の確認が必須です。
採用した場合は、ハローワークへの届出も義務付けられています。
無事に内定承諾を得たら、入社手続きに入ります。事務作業になりますが、漏れがないようにチェックリストを活用しましょう。
入社時にスタッフから提出してもらう主な書類は以下の通りです。
アルバイトであっても、条件を満たせば社会保険(健康保険・厚生年金保険)や雇用保険への加入が必要です。
履歴書やマイナンバーなどの個人情報は、鍵のかかるキャビネットや、パスワードのかかった電子フォルダで厳重に管理してください。退職者の履歴書をどう処分するかも、あらかじめルールを決めておきましょう。
初めての採用活動では、思い通りにいかないことも多々あります。ここでは飲食店でよくある失敗事例と、その対策を紹介します。
対策:求人内容を見直しましょう。「美味しいまかない付き」「週1日〜OK」など、ターゲットにとって魅力的なメリットが伝わっていますか?また、掲載する媒体がターゲット層と合っていない可能性もあります。
対策:「面接日程の調整がつかない」ことで離脱されるケースが多いです。面接可能な時間枠をあらかじめ複数設定し、応募時に選んでもらう形式にするとスムーズです。オンライン面接の導入も検討しましょう。
対策:応募者は同時に複数のお店に応募しています。面接から結果通知までの期間を短くすること、そして面接時に「ここで働きたい」と思ってもらえるような魅力付けをすることが大切です。
対策:「聞いていた話と違う」というミスマッチが主な原因です。面接で良いことばかり言わず、大変な部分(ピークタイムの忙しさや立ち仕事であることなど)も正直に伝えましょう。また、初日のオリエンテーションを丁寧に行い、不安を取り除くことも効果的です。
店舗運営と兼務しながらの採用活動は、時間との戦いです。すべてを自力でやろうとせず、外部サービスを賢く活用することで、効率的に良い人材を確保できます。
ターゲットに合わせて媒体を選びます。近隣の主婦層なら地域密着型の紙媒体や折り込みチラシ、学生ならアプリ型の求人媒体やSNS広告が有効な場合があります。
特に専門的なスキルが必要な調理スタッフや、急な欠員が出た場合は、求人広告を出して待つよりも、人材紹介や派遣サービスを利用する方が確実で早いケースがあります。コストはかかりますが、採用の手間やミスマッチのリスクを減らせるメリットがあります。
採用活動で最も負担になるのは、「急ぎで人が欲しいのに、なかなか決まらない」という精神的なプレッシャーと、選考にかかる時間的コストです。
そんな時におすすめなのが、飲食業界に特化したシェフのマッチングサービス「CHEFLINK」の活用です。
正社員採用はじっくり時間をかけて行い、急場の欠員や専門スキルが必要なポジションはCHEFLINKで補う。このように使い分けることで、採用担当者の負担を大きく軽減しながら、店舗運営を安定させることができます。
採用担当という仕事は、お店の将来を左右する責任あるポジションです。初めてのことで不安も多いかと思いますが、以下の3点を意識すれば大丈夫です。
一つひとつの業務を丁寧に行い、良い人材との出会いを作っていってください。あなたの採用活動が成功し、お店が活気に満ち溢れることを応援しています。
外食・飲食業界の最新トレンドとビジネスインサイトを発信する専門メディアの編集チームです。Kitchen Biz Journalを通じて、飲食ビジネスの成長を支援します。
免責事項
当社は、本資料に細心の注意を払って情報を掲載しておりますが、その正確性、完全性、信頼性、特定の目的への適合性について、いかなる保証も行うものではありません。また、本資料の情報は、あくまで一般的な参考情報として提供されるものであり、個別の状況に応じた専門的な助言に代わるものではありません。