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新卒採用する飲食店マネージャー
更新日:2026/6/19

飲食店の新卒採用のコツを徹底解説|Z世代に選ばれる飲食企業とは

飲食業界での人材確保、特に新卒採用に頭を悩ませていませんか。売り手市場が続く中、従来の求人票を出して待つだけの採用手法では、求める人材に出会うのは困難です。

この記事では、Z世代の価値観に寄り添った効果的な母集団形成から、早期離職を防ぐ定着の仕組みまで、実践的な新卒採用方法を徹底解説します。貴店の未来を担う優秀な人材を獲得し、組織を強化するためのヒントとしてぜひお役立てください。

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飲食店の新卒採用が難しいといわれる背景

飲食店の新卒採用は年々難易度を増しています。適切な対策を講じるためには、まずその背景にある社会的な要因や求職者の心理を深く理解しておくことが不可欠です。ここでは、採用が難航する主な理由を掘り下げます。

売り手市場と求人倍率の高止まり

日本の労働人口減少に伴い、新卒採用市場は完全な売り手市場となっています。特に飲食業界は慢性的な人手不足に陥っており、他業界と比較しても求人倍率が高い状態が続いています。

飲食店の採用戦略まとめでも触れられている通り、大手企業から個人店までが限られたパイを奪い合う構図となっており、単に求人を出すだけでは応募が集まらないのが現実です。求職者は数多くの選択肢から就職先を選べるため、企業側からの積極的なアピールが求められています。

飲食業界に対するネガティブイメージ

長時間労働、休日の少なさ、立ち仕事による肉体的な負担など、飲食業界に対する「きつい」というネガティブなイメージは根強く残っています。

出典:厚生労働省『令和5年雇用動向調査』によると、宿泊業・飲食サービス業の年間離職率は26.6%と全産業の中で最も高い水準を示しています。このようなデータや世間の評判は、安定志向を持つ学生やその保護者にとって懸念材料となり、飲食業界への就職を敬遠する大きな要因となっています。

Z世代の価値観・働き方の変化

現在の新卒層であるZ世代は、働く目的や職場に求める価値観がこれまでの世代と大きく異なります。彼らは給与や会社の規模だけでなく、「心理的安全性」や「ワークライフバランス(タイパ)」、さらには「社会貢献性」を重視する傾向にあります。

画一的な厳しい指導や、非効率な業務プロセスを嫌うため、古い慣習が残る職場は選ばれません。彼らの共感を得るためには、個人の多様性を尊重し、成長を支援する柔軟な環境づくりが不可欠です。

飲食店の新卒採用を成功させる方法の全体像

新卒採用を成功に導くためには、場当たり的な対応ではなく、全体を俯瞰した採用プロセスの設計が必要です。採用計画の立案から入社後の定着まで、一連の流れを体系的に構築することで、ミスマッチを防ぎ、歩留まりを向上させることができます。

フェーズ目的・役割具体的なアクション
採用計画採用活動の土台作りペルソナ設計、EVP(従業員価値提案)の言語化、スケジュールの策定
母集団形成自社に興味を持つ候補者を集める求人媒体の選定、インターンシップ開催、SNS・採用ホームページでの発信
選考相互理解と見極めカジュアル面談、現場体験、ミスマッチを防ぐ面接の実施
内定者フォロー内定辞退の防止と入社意欲の向上定期的なコンタクト、懇親会の開催、先輩社員との交流
オンボーディング早期離職の防止と戦力化入社後研修、メンター制度の導入、定期的な面談によるケア

採用計画と求める人物像の設計

採用活動の第一歩は、緻密な採用計画の策定です。誰に、どのような魅力を届けるのかを明確にしないまま手法に走っても、期待する成果は得られません。ここでは計画段階で重視すべきポイントを解説します。

ペルソナ設計と採用ターゲットの明確化

「明るくて元気な学生」といった曖昧な人物像ではなく、具体的なペルソナを設計することが重要です。どのような価値観を持ち、どのようなキャリアを描きたいと考えている学生なのかを深く掘り下げます。

例えば、「将来は自分の店を持ちたい独立志向の学生」と「チームで協力して店舗を運営することに喜びを感じる学生」では、響くメッセージや選ぶべき求人媒体が異なります。現場で活躍している若手スタッフの特性を分析し、自店舗の風土にマッチするターゲットを明確にしましょう。

自店の魅力(EVP)を言語化する

EVP(Employee Value Proposition=従業員価値提案)とは、企業が従業員に対して提供できる価値のことです。「なぜ数ある飲食店の中から、うちの店を選ぶべきなのか」という問いに対する答えを言語化します。

独自の調理技術が学べる、若手からメニュー開発に携われる、完全週休二日制を導入しているなど、他店にはない強みを整理してください。このEVPが、後の求人原稿や採用ピッチ資料、面接での訴求軸となります。

母集団形成に効く主要チャネル

自店の魅力を定義したら、次はそれをターゲット層に届けるフェーズです。現代の就活生は多様な手段で情報収集を行うため、ターゲットに合わせて複数のチャネルを組み合わせることが母集団形成の鍵となります。

チャネル特徴とメリット適している店舗規模・ターゲット
ナビサイト圧倒的なリーチ力。広く認知を獲得できる複数店舗を展開する企業、採用予定人数が多い企業
ダイレクトリクルーティング自社に合う人材へ直接アプローチ可能採用要件が明確な企業、攻めの採用を行いたい企業
インターンシップ入社前のミスマッチを防ぎ、深い理解を促進現場の魅力を直接体験させたい企業
SNS採用日常のリアルな雰囲気を視覚的に伝えられるZ世代向け、職場の雰囲気を重視する企業

新卒ナビサイト・就活サイトの活用

多くの就活生が最初に登録する新卒ナビサイトは、圧倒的なリーチ力を持ち、広く認知を獲得するのに適しています。飲食業界に特化したナビサイトを活用することで、初めから飲食に興味がある層へ効率的にアプローチすることも可能です。

ただし、掲載企業数が多いため埋もれやすく、自社のEVPを明確に打ち出した魅力的な原稿作成が求められます。

ダイレクトリクルーティングと逆求人

企業側から学生に直接スカウトを送るダイレクトリクルーティングは、近年急速に普及している手法です。学生のプロフィールや自己PRを読み込み、自店のペルソナに合致する人材にのみピンポイントでアプローチできます。

スカウト文面を一人ひとりに合わせてカスタマイズすることで返信率が高まり、待ちの姿勢では出会えなかった優秀な学生を獲得できる可能性が広がります。

インターンシップ・職場体験の設計

インターンシップは、飲食店のリアルな魅力を伝える強力な手段です。1日完結型の1day仕事体験から、実際の店舗業務を経験する長期インターンまで、目的の応じて設計します。

単なる労働力として扱うのではなく、新メニューの考案ワークショップや、経営者との座談会など、学生にとって「学び」や「成長」が感じられるコンテンツを用意することが、その後の本選考への参加意欲を高めるポイントです。

採用ホームページと採用ピッチ資料

求人媒体の情報だけでは伝えきれない自社の理念や詳細な情報を補完するのが、採用ホームページの役割です。飲食店の採用サイトの作り方でも解説している通り、社員インタビューやキャリアパス、よくある質問などを網羅し、学生の不安を払拭するコンテンツを充実させましょう。

また、スライド形式で会社の魅力をまとめた「採用ピッチ資料」を公開することで、いつでも手軽に自社の深い情報を届けることができます。

Instagram・TikTok・WantedlyによるSNS採用

Z世代にとって、SNSは最も身近な情報収集ツールです。Instagramでは美しい料理の写真だけでなく、スタッフの笑顔や賄いの様子など、リアルな日常を発信します。TikTokでは厨房の裏側やスタッフ間のやり取りを短い動画でフランクに伝え、親近感を醸成します。

また、共感を重視するWantedlyを活用して、創業の想いや目指すビジョンをストーリー仕立てで発信することも、カルチャーフィットする人材の獲得に有効です。

リファラル採用と従業員紹介制度

既存のスタッフに後輩や友人を紹介してもらうリファラル採用は、マッチングの精度が高く、定着率も良い傾向にあります。自店の理念や働き方をよく理解しているスタッフの紹介であるため、事前の期待値調整ができており、面接の工数も削減できます。

紹介者・被紹介者の双方にインセンティブを付与するなど、制度として社内に周知し、スタッフが紹介しやすい環境を整えることが成功の秘訣です。

専門学校・大学キャリアセンターとの連携

調理や製菓、栄養学を学ぶ専門学校や、近隣大学のキャリアセンターとの関係構築も欠かせません。学校訪問を定期的に行い、求める人物像や採用条件を就職課の担当者に直接伝えることで、条件に合う学生を推薦してもらいやすくなります。

卒業生が自店で活躍している実績があれば、それをアピールすることで学校側からの信頼も深まります。

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選考フローと面接設計のポイント

母集団を形成した後は、互いの理解を深め、マッチングを見極める選考フェーズに入ります。ここでは、企業が学生を選ぶだけでなく、学生からも選ばれるための選考体験(候補者体験)の質を高める工夫が必要です。

カジュアル面談から始めるエントリー設計

いきなり志望動機を問う正式な面接ではなく、まずは「カジュアル面談」からスタートする設計が効果的です。学生の緊張をほぐし、お互いの価値観やキャリア観についてリラックスして対話する場を設けます。この段階では評価よりも相互理解に比重を置き、自店の魅力を伝えることに注力することで、学生の志望度を自然に引き上げることができます。

ミスマッチを防ぐ面接質問の設計

面接では、表面的な受け答えだけでなく、過去の行動事実に基づく質問(コンピテンシー面接)を取り入れます。「過去に最も困難だった経験と、それをどう乗り越えたか」などを深掘りすることで、ストレス耐性や課題解決能力を見極めます。

また、飲食業特有のイレギュラーな事態への対応力や、チームワークの価値観を確認する質問も用意し、入社後のミスマッチを未然に防ぐことが重要です。

現場体験を組み込んだ選考プロセス

面接の対話だけでは、実際の店舗の空気感や業務のペースは伝わりません。選考の終盤に、数時間〜半日程度の「現場体験(店舗見学)」を組み込むことを推奨します。

実際に働くスタッフの様子を観察し、厨房の熱気やお客様との接客シーンを肌で感じてもらうことで、入社後のリアリティショックを軽減できます。現場スタッフとの相性を確認する機会としても有効です。

内定者フォローと辞退防止策

内定を出したからといって採用活動が終わるわけではありません。内定から入社までの期間は、学生にとって不安が募りやすい時期であり、適切なフォローがなければ辞退に繋がります。

定期コンタクトと内定者懇親会

内定後は、月に1回程度を目安に定期的なコンタクトを取り、接触頻度を保ちます。社内報の送付や、店舗の最新情報をメールやLINEで共有するだけでも、繋がりを感じさせることができます。さらに、内定者同士が顔を合わせる「内定者懇親会」を開催し、同期の絆を深めることで、入社への不安を取り除き、モチベーションを高める効果が期待できます。

先輩社員との接点づくり

年齢の近い若手社員との交流の場を設けることも重要です。入社して1〜2年目の先輩社員から、仕事のやりがいだけでなく、苦労したことやそれをどう乗り越えたかというリアルな体験談を聞くことで、学生は自身の入社後の姿を具体的にイメージできるようになります。現場の生の声は、人事担当者の言葉以上に強い説得力を持ちます。

入社後の定着と早期離職を防ぐ仕組み

苦労して採用した新卒社員も、入社後のケアが不足すればすぐに離職してしまいます。定着率を高めるためには、入社直後から継続的なサポート体制を構築することが不可欠です。

オンボーディング設計のポイント

オンボーディングとは、新入社員が組織に馴染み、早期に戦力化するための受け入れプログラムのことです。いきなり現場に立たせて「見て覚えろ」という指導は、現代の若者には通用しません。入社後の一定期間は、店舗のルールや基本業務、接客マナーなどを体系的に学ぶ研修期間を設けます。小さな成功体験を積み重ねさせることで、自信を持たせることが定着への第一歩です。

メンター制度とOJTの活用

実務を教える直属の上司(OJT担当)とは別に、年齢が近く他部署・他店舗の先輩社員を相談役として配置する「メンター制度」の導入が効果的です。新入社員は業務のミスや人間関係の悩みを直属の上司には相談しづらい傾向があります。斜めの関係性であるメンターが心理的な支えとなることで、孤立を防ぎ、離職のサインを早期に察知することが可能になります。

心理的安全性の高い職場づくり

Z世代が長く働きたいと思うのは、「心理的安全性」が担保された職場です。ミスをした際に頭ごなしに叱責するのではなく、原因を共に考え、挑戦を称賛する文化を根付かせましょう。意見や提案を自由に言える風通しの良さがあり、個人の多様性が尊重される環境を経営層から現場の店長クラスまでが一丸となって構築することが、結果的に定着率の向上に直結します。

飲食店の新卒採用でよくある失敗パターンと対策

新卒採用において、多くの飲食店が陥りがちな失敗パターンが存在します。これらを事前に把握し、対策を講じておくことが成功への近道です。

よくある失敗パターン原因と起こる問題効果的な対策
求人票を出して待つだけ認知が広がらず、応募が全く来ないSNS発信やダイレクトリクルーティングなど攻めのアプローチへ転換
給与・条件のみで勝負する大手チェーンとの資本力勝負になり負ける自店ならではの成長機会や働きがい(EVP)を言語化し、情熱を訴求
良いことばかりを伝える入社後にリアリティショックを起こし早期離職仕事の厳しさや課題も包み隠さず伝え、誠実な情報開示を行う
採用ゴール=内定を出した時内定後のフォローがなく、他社に流れて辞退される内定〜入社までの継続的な接触計画(懇親会や面談)を事前に立てる

飲食店の新卒採用を強化するならCHEFLINKの活用も

新卒採用に力を入れ、若手を育成することは企業の未来にとって重要ですが、現場のスタッフに余裕がなければ教育は成立しません。特にベテラン料理人が日々の営業に追われている状態では、新入社員に丁寧なオンボーディングを実施することは困難です。

そこで検討したいのが、外部プロフェッショナル人材の活用です。即戦力調理スタッフを派遣や紹介で補強することで、現場の業務負担を軽減し、既存スタッフが新卒社員の教育に時間を割ける「余白」を生み出すことができます。採用と現場の戦力補強を両輪で回すことが、結果として新卒社員の高い定着率へと繋がるのです。

よくある質問

Q. 飲食店が新卒採用を始めるタイミングはいつが良いですか?

A. 一般的な就活スケジュールに合わせ、大学3年生の夏〜秋(サマーインターン時期)から情報発信や接点づくりを始めるのが理想です。ただし、近年は通年採用化も進んでいるため、ダイレクトリクルーティングを活用すれば時期を問わずアプローチが可能です。

Q. 個人店・小規模店でも新卒採用は可能ですか?

A. 十分に可能です。大手チェーンにはない「経営者との距離の近さ」「裁量の大きさ」「アットホームな雰囲気」などは、特定の志向を持つ学生に強く刺さります。ターゲットを絞り込み、SNSやリファラル採用など費用対効果の高い手法を活用することがポイントです。

Q. 新卒採用にかかる費用相場はどのくらいですか?

A. 利用する媒体や手法によって大きく異なりますが、一般的なナビサイト掲載で数十万円〜、人材紹介を利用した場合は内定者の年収の約30%〜35%(数十万〜百数十万円)が相場です。予算が限られている場合は、SNS運用やリファラル採用など、コストを抑えた手法から着手することをおすすめします。

Q. 採用ホームページは作るべきですか?

A. 強くおすすめします。求職者は必ず企業のホームページを検索して情報を補完します。専用の巨大なサイトを作る必要はありませんが、スマートフォンの閲覧に最適化され、働くイメージが湧く写真や先輩の声を掲載したページを1枚用意するだけでも、応募率は大きく改善します。

Q. 早期離職を防ぐ最大のポイントは何ですか?

A. 採用前の「事前の期待値調整」と、入社後の「心理的安全性の確保」です。面接段階で飲食業の厳しい面も誠実に伝え、過度な期待を抱かせないこと。そして入社後は放置せず、メンター制度などを活用して「いつでも相談できる環境」を作ることが最大の離職防止策となります。

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まとめ|飲食店の新卒採用を成功に導くために

飲食店の新卒採用方法について、母集団形成から入社後の定着までの戦略を解説しました。売り手市場や業界へのネガティブイメージなど逆風はありますが、Z世代の価値観を正しく理解し、自店の魅力を言語化して適切なチャネルで発信すれば、必ず求める人材に出会うことができます。

重要なのは、求人を出して満足するのではなく、学生に寄り添った選考プロセスを設計し、入社後も丁寧に育成するオンボーディングの仕組みを整えることです。

また、教育体制に不安がある場合は、CHEFLINKを活用して現場のプロ人材を補強し、組織全体に余裕を持たせることも有効な戦略となります。本記事でお伝えした内容を一つずつ実践し、貴店の未来を創る採用活動を成功へと導いてください。

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執筆

Kitchen Biz Journal 編集部

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外食・飲食業界の最新トレンドとビジネスインサイトを発信する専門メディアの編集チームです。Kitchen Biz Journalを通じて、飲食ビジネスの成長を支援します。

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