とんかつにカラシがつく理由

【食材のトリセツ】とんかつにカラシがつく理由 — 脂と辛味の名コンビの秘密

答え:カラシの揮発性の辛味が、揚げ物の脂っこさをリセットしてくれるから。日本人が発見した黄金の組み合わせ。

とんかつ屋の卓上に必ずある練りカラシ——これ、なぜ「マスタード」でも「わさび」でもなく”カラシ”なのか?答えは脂を切る”機能にあります。日本の食文化が見つけた完璧なペアリング。

POINT

  • ポイント①:カラシは油脂と好相性:カラシの辛味成分は鼻に抜けて瞬時に消える揮発性。とんかつの脂の重さを一瞬でリセットし、次の一切れが美味しくなる“口内リセット役”として機能します。
  • ポイント②:洋辛子(マスタード)とは別物:日本の練りカラシは“和辛子”で、アブラナ科のカラシナの種子を粉にしたもの。マスタードは酢や砂糖で調味されていて甘みがあり、脂を切る力ではカラシに軍配。
  • ポイント③:とんかつ文化とともに定着:明治時代、洋食の「カツレツ」に日本人になじみのあるカラシを添えたのが始まりとされます。ソース+カラシ+千切りキャベツという組み合わせは、和洋折衷の完成形。

プロの技:カラシをとんかつで楽しむ

  • カラシはソースをつける前に、肉の一角に少量つける
  • 練りカラシは開封後、冷蔵で1か月以内に使い切る
  • 脂身の多い部位(ロース)ほどカラシが活きる
  • おでんや納豆に添えるのも同じ”脂切り”の応用

料理トリビア

とんかつの発祥は諸説ありますが、明治32年(1899年)、東京・銀座の洋食店「煉瓦亭」が「ポークカツレツ」として提供したのが原型とされます。千切りキャベツを添えるという発想もこの店から。カラシが定着したのは大正〜昭和初期のこと。

北田清
監修 北田清

辻調グループ校フレンチイタリアン専攻の学部を主席で卒業。その後、同校のインストラクターとして勤務。新人フランス料理人コンクールのデセール部門で優勝。イタリアン業態の立ち上げやエリアマネージャーとしての居酒屋業態の直営5店舗と暖簾分け店舗の統括。10年間パスタ専門店のオーナーシェフとしても活躍。

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