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テイクアウト、デリバリー活用術
更新日:2026/7/7

飲食店のテイクアウト・デリバリー導入完全ガイド|Uber Eats・出前館の使い分け

テイクアウトとデリバリーは、席数の物理制約を越える「第二のレジ」です。本記事ではUber Eatsと出前館を中心に主要4社の特徴、使い分けの判断軸、導入5ステップ、利益を残す価格設計までを実務目線でまとめます。

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テイクアウト・デリバリーが“第二の売上”になる理由

飲食店の売上は、伝統的に「席数×回転率×客単価×営業日数」という掛け算で決まってきました。この方程式の上限は、物理的な席数と人手によって頭打ちになります。テイクアウトとデリバリーは、この方程式の外側に「第二のレジ」を置く施策です。

実際、コロナ禍以降のデータでは、テイクアウト・デリバリーを売上比率20〜30%まで育てている繁盛店が、雨天日・台風シーズン・真冬の閑散日に売上を底支えできていることが分かっています。席数20席の店が、デリバリーで月100万円を上乗せできれば、それは年間1,200万円の追加売上であり、店舗の損益分岐点を大きく押し下げる威力があります。

また、人気店であれば「予約が取れない時間帯」の機会損失を、テイクアウトで救えるという利点もあります。土曜の夜、満席で断った客に「テイクアウトでお持ち帰りいただけます」と提案できる仕組みがあれば、収益機会を取り逃しません。デリバリーは商圏拡大、テイクアウトは店内売上の補完という、それぞれ異なる戦略上の役割を担います。

Uber Eats・出前館・menu・Wolt主要4社の特徴

日本市場の主要なデリバリープラットフォーム4社の特徴を整理すると、次のように比較できます。

サービス手数料目安配達網・客層向いている店
Uber Eats売上の30〜35%都市部に強い/20〜30代中心洋食、カフェ、新業態の認知獲得
出前館売上の30〜40%全国網/30〜50代も多いファミリー業態、和食・中華
menu売上の30%前後テイクアウト機能が強い店舗近隣の固定客向け

手数料はいずれも売上の3割前後と高水準です。これは「自社で配達網を持たずに済む」「集客アプリの恩恵を受けられる」対価ですが、価格設計を誤ると簡単に赤字メニューが生まれます。手数料込みで利益が残る価格を、メニュー単位で設計し直す必要があります。

Uber Eatsと出前館の使い分け方

国内で最大手のUber Eatsと出前館は、表面的には似ていますが、客層と販促の強度が大きく異なります。次の4軸で比較して使い分けるのが現実的です。

  • 客単価:Uber Eatsは1,500〜2,500円帯、出前館は2,000〜3,500円帯が動きやすい
  • エリア:都心はUber Eatsが圧倒的、郊外・地方都市は出前館の方が配達網が安定
  • 客層:Uber Eatsは20〜30代単身、出前館はファミリー層と50代以上にも届く
  • 販促強度:出前館はクーポン施策が強く、Uber Eatsはアプリ内のレコメンドが機能する

したがって、都心の新業態カフェやバーガーショップはUber Eatsを主軸に、郊外の中華・和食・とんかつ店は出前館を主軸にし、両方を並行運用するのが定石です。複数掲載することで露出機会は増えますが、メニュー管理・問い合わせ対応の手間も比例して増えるため、まずは1社で運用ノウハウを貯めてから2社目を追加する順序が安全です。

テイクアウト/デリバリー導入の5ステップ

新規導入する場合、次の5ステップで進めるとつまずきが少なくなります。

  • 対応メニュー絞り込み:温度劣化に強く、揺れに耐え、20分後も美味しい料理を10〜15品に厳選
  • 容器・包材選定:汁漏れしない密閉性、電子レンジ対応、コスト1点20〜80円の範囲で選定
  • オペ動線設計:店内オーダーとデリバリー注文がぶつからない厨房動線・受け渡し位置を設計
  • 写真撮影/メニュー登録:プラットフォーム上で「思わずタップしたくなる」写真を必ずプロ撮影
  • 初期プロモーション:プラットフォーム内クーポンとSNS告知を組み合わせ、レビュー50件を最短で集める

最初のレビュー50件は、その後の表示順位を左右する重要資産です。導入初月は、利益度外視で割引クーポンを発行してでも、4.5以上の評価レビューを早急に積み上げることをお勧めします。一度上位に表示されれば、広告費をかけなくても継続的な注文が入る仕組みに乗ります。

利益を残すための価格設計と原価管理

デリバリーは「売上は伸びるが利益が残らない」と言われがちです。これは、手数料込みで価格設計をせず、店内価格をそのまま流用してしまうからです。利益を残すには、次の3点を押さえます。

第一に、手数料込みの価格設計。プラットフォーム手数料35%を逆算すると、店内1,000円の商品はデリバリー上では1,300〜1,500円で出さないと、店内同等の粗利は確保できません。割高に見える価格設定を躊躇すると、結果的にデリバリーをやるほど赤字が膨らみます。

第二に、損益分岐配達数の把握。容器代、ピッキング人件費、プラットフォーム月額固定費を合計し、何件の配達で利益が出始めるかを月次で把握します。これを知らないと、いくらやっても黒字化しません。

第三に、ABC分析でメニューを絞ること。注文の多いメニューと利益率の高いメニューを四象限で整理し、「注文多×利益高」を主力に育て、「注文少×利益低」は思い切って削除します。デリバリー専用にメニュー数を絞ることで、オペレーション負荷も下がり、ミスが減ります。

ピーク時だけ、ひとり増やす

デリバリーが軌道に乗ると、ランチ・ディナーのピーク時に店内オペとデリバリーオペが衝突します。常時1名追加するのは固定費負担が重いものの、ピーク2〜3時間だけ補強できれば、機会損失を防ぎながら利益を守れます。CHEFLINKでは、時間帯指定のスポット案件が組めるため、ピーク帯だけの補強運用が現実的です。CHEFLINKを見てみる

人手を増やさず売上を伸ばす働き方

テイクアウト・デリバリーの真価は、「同じ人員のまま売上の天井を引き上げられる」点にあります。ただし、ピーク帯の集中だけは避けられず、ここに対策を打たないとスタッフ疲弊と注文ミスが必ず起きます。

対策の本筋は、フルタイム社員ではなく時間帯指定のスポット人材で吸収することです。たとえば金土日のディナー帯(18〜21時)だけ調理補助が1名いれば、店内・テイクアウト・デリバリーの三方向を捌けます。同時に、業務委託の料理人にレシピ開発を依頼し、デリバリー専用のヒット商品を量産するという二段構えも有効です。

正社員を増やす意思決定は、月商の安定的な拡大が見えてからで十分です。それまでの過渡期は、スポット・業務委託で柔軟にリソースを買う発想で、固定費を抑えながら売上の天井を伸ばし続けるのが、これからの飲食店経営の合理解です。

デリバリー導入で”手が足りない”を解決するのはCHEFLINK

Uber Eats・出前館を導入すると、注文数は増える一方で、キッチンオペレーションの負荷は確実に上がります。イートインとデリバリーの並行調理、ピーク時間の集中発注、専用メニューの仕込み——既存スタッフだけで対応しようとすると、料理の質と提供スピードのどちらか(あるいは両方)が犠牲になります。

CHEFLINKなら、デリバリー対応可能な料理人を必要な曜日・時間帯だけスポットで確保できます。「金土のディナーピークだけ2名追加」「新メニュー立ち上げ月だけ厨房補強」といった、デリバリー導入初期に最も欲しい柔軟な人材補強が可能です。導入コストではなく運用コストでつまずかないために、人材面の準備もセットで考えることをおすすめします。

まとめ

テイクアウトとデリバリーは、もはや「補助的な売上」ではなく「第二のレジ」として戦略的に組み込む時代です。Uber Eatsと出前館を客単価・エリア・客層・販促強度で使い分け、5ステップで導入し、手数料込みの価格設計と原価管理で利益を残し、ピーク時のリソースをスポット人材で吸収する――。

この一連の運用設計ができれば、席数の物理制約を越えた売上成長が現実的に可能になります。店内と店外、両方のレジから売上を取りこぼさない店舗運営を、今日から始めましょう。

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執筆

Kitchen Biz Journal 編集部

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