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更新日:2026/9/9

特定技能「外食業」採用フロー7ステップ解説。受入れ制限下での進め方を紹介

特定技能「外食業」での採用は、求人を出して内定を出せば終わりではありません。受入れ企業の要件確認、食品産業特定技能協議会への加入、候補者の在留資格確認、雇用契約、在留資格申請、入社後の支援まで、順序を間違えずに進める必要があります。

外食業分野では新規受入れに関する運用も変わっているため、国内転職者を含む候補者の状況を確認し、採用できるかと、いつから働けるかを分けて判断することが重要です。この記事では、現行の公式情報をもとに、採用担当者が実務で使えるフローと確認項目を整理します。

この記事でわかること

  • 特定技能 外食業の採用フロー全体と、各工程の担当者
  • 受入れ企業が先に確認すべき要件と協議会加入の位置付け
  • 候補者の在留資格別に見た採用ルートの考え方
  • 採用決定後に必要な契約、支援計画、在留資格申請
  • 入社後の支援、届出、定着を採用計画に組み込む方法
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特定技能「外食業」の採用フロー全体

採用担当者は、以下の順番で準備すると進行状況を管理しやすくなります。ただし、候補者の在留資格によって申請ルートが分岐するため、採用活動を始める前に候補者の在留カード、在留期限、現在の業務、転職の可否を確認してください。

工程主な対応主な担当
受入れ可否の確認営業形態、業務範囲、法令遵守、雇用条件を確認経営・人事・労務
協議会加入の準備食品産業特定技能協議会の加入要件と必要書類を確認人事・総務
支援体制の決定自社支援か登録支援機関への委託かを決定人事・現場責任者
候補者の確認と選考在留資格、試験、経験、業務適合性、転職時期を確認採用担当・店舗責任者
雇用契約日本人と同等以上の報酬、労働時間、休日などを明示人事・候補者
在留資格の手続き候補者の状況に応じて認定証明書交付申請または変更許可申請企業・行政書士など
入社と定着支援事前ガイダンス、生活支援、面談、届出、育成を実施企業・登録支援機関

外食業分野の受入れ状況を最初に確認する

出入国在留管理庁は、2026年4月13日以降に受理した外食業分野の在留資格認定証明書交付申請について、不交付とする一時停止措置を公表しています。

海外在住者を新たに呼び寄せる場合は、通常の海外採用フローをそのまま適用できないため、最新の公式情報を確認してから採用計画を組む必要があります。

また、2026年8月10日掲載の審査状況では、申請の種類ごとに扱いが整理されています。外食業分野の特定技能1号から外食業分野内で転職する場合はすべての申請が対象とされる一方、技能実習からの変更、特定活動からの変更、その他の在留資格からの変更では、受付日などの条件が示されています。

在留期間更新許可申請は通常どおり順次審査されると案内されています。

候補者の状況採用計画で確認すること
外食業分野の特定技能1号で在留し、外食業内で転職転職に伴う変更申請、現在の雇用状況、在留期限を確認
技能実習から変更実習の職種・修了状況、対象となる申請受付時期、就労開始時期を確認
特定活動から変更特定技能1号移行準備に該当するか、申請時期と在留期限を確認
留学など、上記以外の在留資格から変更2026年4月13日以降の運用を確認し、原則不許可となる申請に該当しないか確認
海外在住者認定証明書交付申請の受付・処理状況と、採用を進められる例外の有無を確認
すでに雇用している特定技能人材更新、届出、支援、2号へのキャリア設計を確認

参照:出入国在留管理庁「外食業分野における在留資格認定証明書交付の一時停止措置」出入国在留管理庁「特定技能1号 外食業分野の在留諸申請の審査状況」

受入れ企業が採用前に確認すること

候補者を探す前に、受入れ企業としての適格性を確認します。採用後に要件不足が判明すると、在留資格の手続きだけでなく、候補者の入社時期や店舗のシフト計画にも影響します。

  • 外食業分野の対象となる営業形態・事業所である
  • 飲食物調理、接客、店舗管理など、対象業務を明確にできる
  • 接待行為や、調理・接客を伴わない配送のみの業務を任せない
  • 労働、社会保険、租税に関する法令を遵守している
  • 雇用契約を直接締結し、日本人と同等以上の報酬を設定できる
  • 1号特定技能外国人支援計画を実施できる体制がある
  • 食品産業特定技能協議会への加入手続きを進められる
  • 雇用後の届出、面談、生活支援を継続できる

業務範囲と受入れ可否を整理する

特定技能 外食業で任せられる主な業務は、飲食物調理、接客、店舗管理です。仕込み、加熱調理、盛り付け、オーダー、配膳、レジ、衛生管理、在庫管理、シフト管理など、飲食店の運営に関わる業務を組み合わせて担当してもらえます。

ケース確認ポイント
レストラン、食堂、喫茶店調理・接客・店舗管理が主業務か
テイクアウト専門店店舗で調理した飲食物の提供に関する業務か
配達飲食サービス調理・接客などと組み合わせた配送か。配送だけになっていないか
学校・病院などの給食施設外食業分野の対象事業に該当するか、業務実態を確認
ホテル内レストラン調理・配膳など飲食業務に限定されているか。フロント等を兼務させない
居酒屋・バー接待行為や風俗営業に該当する業務がないか

店舗名や求人票の職種名だけで判断せず、実際に任せる業務を分解して確認することが重要です。判断が難しい場合は、申請前に専門家や関係行政機関へ確認してください。

食品産業特定技能協議会への加入を進める

外食業分野で特定技能外国人を受け入れる企業は、食品産業特定技能協議会への加入が必要です。農林水産省の案内では、在留諸申請の前に加入する運用となっています。加入状況が申請の前提になるため、候補者が決まってから始めるのではなく、受入れを検討した段階で必要書類を確認しましょう。

加入審査の期間は時期や申請状況によって変わります。検索上位ページには数週間から数か月まで幅のある説明が見られるため、固定的な日数を採用計画に置かず、農林水産省の最新案内を確認して余裕を持ったスケジュールを設定するのが安全です。

参照:農林水産省「食品産業特定技能協議会」

支援体制を自社支援と委託から選ぶ

特定技能1号を受け入れる場合、事前ガイダンス、住居確保、生活オリエンテーション、日本語学習機会の提供、相談対応などの支援が必要です。企業が支援責任者・担当者を置いて実施する方法と、登録支援機関へ全部または一部を委託する方法があります。

選択肢向いている企業確認事項
自社支援社内に外国人雇用の経験、対応言語、生活支援の担当者がいる支援項目を継続実施できるか、店舗任せにならないか
登録支援機関へ委託初めての受入れ、複数店舗、夜間対応や多言語対応が必要外食業の経験、対応言語、面談方法、緊急時の連絡体制
一部委託社内で担える支援と外部に任せたい支援が分かれている責任範囲、届出担当、候補者への説明主体を契約書で明確化

登録支援機関に委託しても、雇用主としての労務管理や、現場での教育責任までなくなるわけではありません。店長や社員が、やさしい日本語で指示する、写真付きマニュアルを使う、相談を早期に拾うといった運用を設計しておく必要があります。

候補者を確認して選考する

採用面接では、経歴だけでなく、在留資格の状態と、勤務開始までの手続きを確認します。候補者にとっても転職は生活基盤に関わるため、許可前の就労可否や、入社予定日を曖昧にしないことが信頼形成につながります。

  • 在留カードの在留資格、在留期限、就労制限
  • 現在の勤務先、業務内容、退職予定、転職理由
  • 外食業分野の特定技能1号に該当する実績や申請ルート
  • 日本語能力、外食業の技能試験、技能実習修了状況
  • 調理・接客・衛生管理など、任せたい業務との適合性
  • 勤務時間、休日、勤務地、転居の必要性
  • 宗教、食文化、通院、家族事情など、就労継続に関係する配慮

雇用契約と支援計画を整える

採用が決まったら、候補者と雇用契約を締結します。報酬は同じ業務に従事する日本人と同等以上である必要があり、賃金だけでなく、労働時間、休日、休暇、社会保険、勤務地、業務内容を明確にします。特定技能外国人にだけ不利な条件を設定したり、支援にかかる費用を本人へ転嫁したりしないよう注意してください。

1号の場合は、雇用契約の内容と整合した支援計画を作成します。事前ガイダンスでは、給与、勤務時間、業務内容、支援の内容、相談窓口、生活上の注意点を、候補者が理解できる言語で説明します。

在留資格申請を候補者の状況に合わせて進める

申請の種類は、海外在住者か国内在住者かだけでなく、現在の在留資格や外食業分野での在留状況によって判断します。認定証明書交付申請、在留資格変更許可申請、在留期間更新許可申請を混同しないようにしてください。

申請主な対象注意点
在留資格認定証明書交付申請海外在住者を新規に呼び寄せる場合外食業分野では一時停止措置があるため、受付・交付状況を公式情報で確認
在留資格変更許可申請国内在住者が特定技能へ変更する場合、転職に伴い変更する場合候補者の現在の在留資格、申請受付日、外食業内転職かどうかを確認
在留期間更新許可申請すでに特定技能で雇用している人材が更新する場合在留期限、雇用契約、支援、届出、協議会加入の状況を確認

申請書類には、企業に関する資料、雇用契約関係資料、候補者の本人資料、試験や修了状況を示す資料、支援計画などが含まれます。必要書類は申請区分や企業状況によって変わるため、出入国在留管理庁の最新様式を使い、提出前にチェックリストで照合してください。

重要:内定を出した日と、就労を開始できる日は同じではありません。在留資格の許可前に働けるか、現在の在留資格で何が認められているかを、候補者ごとに確認してください。採用決定から勤務開始までの期間を見込まずにシフトを組むと、店舗運営に空白が生じます。

入社後の支援と定着を採用フローに組み込む

入社後は、住居、銀行口座、携帯電話、行政手続き、通勤、職場のルールなど、仕事と生活の両面を支援します。定期面談では、給与や労働時間の問題だけでなく、店長とのコミュニケーション、業務指示の理解、体調、住環境、将来のキャリアも確認します。

定着支援は、登録支援機関だけの仕事ではありません。現場の受入れ準備が不足すると、生活面の支援が整っていても早期離職につながります。入社前に、店舗スタッフへ受入れの目的と指示方法を共有しておきましょう。

  • 厨房用語と接客フレーズを写真・動画付きで整理する
  • 指示を短く区切り、復唱やチェックで理解を確認する
  • 質問しやすい相談担当者と、多言語の相談先を明示する
  • 繁忙期、休日、残業、休暇のルールを事前に説明する
  • 技能の習得状況を確認し、担当業務を段階的に広げる
  • 特定技能2号を含むキャリアの見通しを早い段階で話す

採用にかかる費用を分けて考える

費用は、人材紹介を使うか、自社で募集するか、登録支援機関や行政書士へ委託するかによって変わります。単一の相場だけで判断せず、初期費用と継続費用に分け、本人へ負担させてはいけない費用がないかを確認してください。

費目考え方
人材紹介・採用費紹介会社やサービスの契約条件を確認。返金規定も確認
在留資格の申請関連費申請手数料、行政書士への依頼料、書類取得費など
登録支援機関の委託費支援項目、対応言語、面談、緊急対応を含む範囲で比較
住居・生活立ち上げ費住居確保、家具、通信、通勤などの実費を採用計画に反映
教育・定着費日本語学習、研修、マニュアル整備、現場の教育時間を見積もる

採用担当者のための最終チェックリスト

  • 自社の営業形態と任せる業務が外食業分野に該当している
  • 接待や配送のみなど、対象外となる業務を求人票から除外した
  • 企業の法令遵守、税、社会保険、労務状況を確認した
  • 食品産業特定技能協議会への加入状況と必要書類を確認した
  • 自社支援か登録支援機関への委託かを決定した
  • 候補者の在留資格、在留期限、転職の可否を確認した
  • 候補者の試験・修了状況と業務経験を確認した
  • 日本人と同等以上の報酬と、明確な労働条件を提示した
  • 支援計画と事前ガイダンスの内容を候補者に説明した
  • 申請区分と最新の受付・審査状況を公式情報で確認した
  • 許可前の就労可否を確認し、勤務開始日を現実的に設定した
  • 入社後の面談、届出、生活支援、現場教育の担当を決めた

よくある質問

ーーー特定技能 外食業は、海外から新しく採用できますか?

外食業分野では、2026年4月13日以降に受理した在留資格認定証明書交付申請を不交付とする一時停止措置が公表されています。申請の受付日や例外の有無によって扱いが変わるため、海外採用を進める前に出入国在留管理庁の最新情報を確認してください。

ーーー国内にいる特定技能人材なら、すぐ働いてもらえますか?

すぐ働けるとは限りません。候補者の在留資格、転職に伴う変更申請、受入れ企業の協議会加入、許可までの期間を確認する必要があります。内定日と就労開始日を分けて計画してください。

ーーー登録支援機関への委託は必須ですか?

支援体制を自社で整え、必要な支援を適切に実施できる場合は、自社支援を選べます。ただし、対応言語、生活支援、相談、面談、届出などを継続できる体制が必要です。委託する場合も、現場の教育と労務管理は企業が担います。

ーーー居酒屋やバーで雇用できますか?

店舗の名称ではなく、営業許可と実際の業務内容で判断します。調理、接客、店舗管理などの対象業務であれば検討できますが、接待行為や風俗営業に該当する業務は認められません。判断に迷う場合は、申請前に確認してください。

ーーー特定技能の上位資格へ移行できますか?

外食業は特定技能2号の対象分野です。ただし、2号には技能、日本語、管理・監督に関する要件があります。採用後に任せる業務と育成計画を整理し、将来のキャリアとして説明できるようにしておくと、定着支援にもつながります。

まとめ

特定技能 外食業の採用フローは、受入れ企業の要件確認、協議会加入、支援体制の準備、候補者の在留資格確認、選考、雇用契約、在留資格申請、入社後の支援までを一つの工程として設計することが大切です。

現在は、外食業分野の新規受入れに関する運用が変わっているため、「特定技能なら採用できる」と一括りにせず、候補者の現在の在留資格と申請区分を確認してください。

国内の外食業分野で転職を希望する人材を採用する場合も、協議会加入や申請に時間がかかる可能性があります。採用可否と勤務開始時期を分けて管理し、店舗の現場教育まで含めて準備することが、採用成功と定着の近道です。

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CHEFLINKは、プロの調理人材の紹介のほか外食業界の採用課題に対し、調理・接客などの人材採用を支援しています。特定技能の採用では、候補者の状況や店舗の業務内容を確認し、採用前に整理すべき論点を明確にすることが重要です。

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執筆

Kitchen Biz Journal 編集部

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